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コレステロール値を上昇
近年、認知症予防などにココナッツオイルが良いされ、健康志向の方々が積極的に取り入れて来ましたが、 一転 、このシステマティックレビュー1はココナッツオイルはコレステロール値に悪影響を与えると結論づけています。
心臓血管病のリスクを高める
研究では血中コレステロールの値、HDLもLDLの値と上昇、中でもLDLの値については10.47mg/dlと著しく上昇させるとしています。そしてその上昇度合を他の植物油と比べると心臓血管病を6%、心臓の冠状動脈病を5.4%も引き起こし安くする割合であると説明しています。中性脂肪や血糖値、体の炎症反応を示すCRPなどに関しては変化はありませんでした。
何が悪いのか?
ケトン体( β-ヒドロキシ酪酸 )が脳のエネルギー源となる事が発見され、ココナッツオイルに多く含まれる中鎖脂肪酸が注目を浴びて来ましたが、実はココナッツオイルの70%以上が長鎖脂肪酸で出来ており、研究ではこれらがコレステロール値の上昇を招いたとしています。ココナッツオイルの約半分が炭素数が12の飽和脂肪酸 ラウリン酸 、そしてあとの4分の1が炭素数が14の飽和脂肪酸 ミリスチン酸 と炭素数が16の飽和脂肪酸 パルミチン酸によって構成されています。これらの飽和脂肪酸は汚れを落としたりする石鹼として使われています。
高コレステロール血症については遺伝から来るとされているものや生活習慣から来るとされているものなど、実際にしっかりと原因分かっていない事が多いのも事実です。果糖摂取によりLDLの値が上昇すると言う研究2などもありますが、血管関連にはやはり飽和脂肪酸は良くないようです。今後もこの様な研究に注目して行きます。
参考文献
- 1.Neelakantan N, Seah JYH, van Dam RM. The Effect of Coconut Oil Consumption on Cardiovascular Risk Factors: A Systematic Review and Meta-Analysis of Clinical Trials. Circulation. January 2020. doi:10.1161/circulationaha.119.043052
- 2.Zhang YH, An T, Zhang RC, Zhou Q, Huang Y, Zhang J. Very High Fructose Intake Increases Serum LDL-Cholesterol and Total Cholesterol: A Meta-Analysis of Controlled Feeding Trials. The Journal of Nutrition. July 2013:1391-1398. doi:10.3945/jn.113.175323
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