偏平足はケガとの関連性は低い!?

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以前より偏平足(足の回内)が下肢のケガを引き起こす原因とされて来ました。扁平足になると、膝が内側に行き脚全体内側に回転します。真直ぐなアライメントに比べ関節などに大きな負担が掛かることから、靴や靴の中敷きを工夫したり、リハビリにより筋肉のバランスを整るなど行われて来ました。

しかし、このような定説に反して驚きの研究が発表されました。偏平足をケガの関連性について、デンマークで927人の初心者ランナーを対象にして行われた研究では偏平足などの足の形状とケガの関連性は低く、むしろ、偏平足の方がケガの発症率が少なかった報告しています。

偏平足とは、単に足のアーチが低くなっている状態です。バイオメカニクス的にみると足の内側(親指側)はスプリングのような働きをしています。接地時には衝撃を吸収したり、跳ね上がる時はバネになったりと、置かれた状況により別の働きをする順応性の高い構造です。しかし、足の外側(小指側)はそのような順応性は無く、体重は上手く支えられますが、ジャンプするなどの力はだいぶ弱くなります。このような足の内側の構造と初心者を対象にしたことをを考慮すると、偏平足の方がむしろケガの発症率が少なかったという研究結果に納得できます。競技のレベルが上がれば上がるほどケガの発症率は増えるという事実は他の研究でも多く報告されています。偏平足など足の形状は、ある程度の目安にはなりますが、その事ばかりに捉われず、筋力や他の関節の柔軟性、アライメントなどバランスよくコンディショニングしていくことが重要なのだと思います。


1.
Nielsen R, Buist I, Parner E, et al. Foot pronation is not associated with increased injury risk in novice runners wearing a neutral shoe: a 1-year prospective cohort study. Br J Sports Med. 2014;48(6):440-447. [PubMed]

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