イリシン(irisin)はフィットネスを変革するか?!

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数年前までは褐色脂肪細胞は赤ちゃんなどに多くあり、大人は持たないというの定説でしたが、運動や生活の仕方により何歳になっても増えることが分かりました。そのキーとなるのは“イリシン(Irisin)というホルモンでした。

脂肪組織のイメージを覆す褐色脂肪細胞

脂肪組織は白色と褐色の2種類あることが知られています。一般的に脂肪細胞と聞くとあまりよいイメージはありませんが、褐色脂肪細胞は赤ちゃんなどに多くあり熱を生産する材料になります。油で満たされている白色脂肪細胞とは対照的に、褐色脂肪細胞は多くの鉄分ミトコンドリアを含み、周囲には毛細血管が張り巡らされています。そして熱の生産には神経伝達物質のノルアドレナリンが誘因となります。

寒さによる“震え”も体の運動

イリシンは運動による筋肉の収縮によって分泌される血液通り脂肪組織に移り、白色脂肪細胞を褐色脂肪細胞に変換することが分かっていましたが、寒さによっても分泌される事実が研究者たちを悩ませていました。そこで米国国立保健研究所の研究者たちは解釈の仕方を変えた研究を行ないました。運動したグループと寒さで震えるの中で30分ただ寝ていたグループのイリシン分泌量を比較したところ、なんとほぼ同じでした。寒さのの中で熱を生産しようとする全身の筋肉の震えが求めていた答えだったようです。

15℃ほどの温度の中で10~15分ほど震えると1時間程の運動相当分のイリシンが分泌されるとも言われています。この発見は医療の分野でも大きく注目されており、糖尿病などの生活習慣病の改善などに役立てられることになるでしょう。ケガなどのは“クライオセラピー”という治療法がありますが、生活習慣病者にもそのような形の安全性を確立した治療が行われる日はそう遠くないのではないのでしょうか。

参考資料:

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