『習慣の力 The Power of Habit』 チャールズ・デュヒッグ

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習慣の力 The Power of Habit

手洗い、歯ブラシ、食事、勉強など生活の中で繰り返し行うことはあまり考えて行っていないと思います。しかし、小さな子どもと一緒にいると、こういった習慣にもたくさんのプロセスがあり、スムーズに行くように色々と努力すします。好きなことで釣ったり、褒めてあげたりと、『あ~そんなやり方がいいのか?!』と、行動を起こすのにたくさんの選択肢があることに驚きを感じることがあります。

またトレーナーとして毎日、色々な人とお仕事していると、良かれ悪しかれ考えないでしてしまう習慣的な行動にこそ、その人らしさってがあるように感じます。もちろん1回きりのトレーニングでは気分や感じ方が変化するだけで、良い結果を生み出すには、どうしゃってもこの習慣の力に頼らなければなりません。私自身も悪い習慣を断ち切るために、新しいトレーニングや行動のパターンをどのように作り出せるかをよく考える事があり、とても参考になった一冊でした。

毎日の人の行動の40%以上が「その場の決定」ではなく「習慣」に基づいている

自分の年齢をはじめ、ほとんど何も覚えていられない人でも、信じれれないほど複雑な習慣を新たに身につけられる神経メカニズムがあることがわかった。そして実は誰もが毎日、それと同じメカニズムに頼って生活していることも判明したのだ。そのメカニズムは、私たちが日に何度も行っている選択に影響を与えている。人は常に良く考えて行動していると思っているが、実は自分でもわかっていない衝動に動かされているのだ。

ゴールに辿り着くと脳の働きが低下する

ラットが迷路で迷っているとき、脳、特に基底核が猛然と活動しているのだ。匂いをかいだり壁をひっかいたりするたびに、脳の活動が急に活発になる…. ラットは次第に匂いをかぐのをやめ、曲がる方向を間違えるのも減った。ゴールに辿り着くまでの時間もどんどん短くなった。さらにラットの頭の中では、思いがけないことも起こっていた。迷路の道筋を覚えるにつれて、ラットの脳の活動は低下するのだ。迷路を進むのが無意識の行動となると、ラットはどんどん「考えなくなる。」

運動する習慣はなぜ生まれるのか?

ジョギングやウエイトトレーニングを始めたきっかけはたいてい単なる思いつきだったり、急に時間に余裕が出来たり、人生の予期せぬストレスに対処したりするためだった。しかし、運動を続けたのは、つまり運動習慣になったのは、特定の報酬を求めるようになったからだ。

習慣はどう変わるのか?

この本では変化の枠組みのフレームワークとして、次の4つステップを説明しています。

  1. ルーティンを特定する
  2. 報酬を変えてみる
  3. きっかけをみつける
  4. 計画をたてる

意志の力

ジム通いで意志力を培ったことで、他の面でも意志力が強くなったかどうかを検討した。この実験を始める前は、ほとんどの被験者が、カウチポテト族だったことを認めていた。実験が終わったとき、彼らの身体的な健康状態は前よりも良くなっていたが、これはある意味、当然のことといえる。ところが生活のほかの面でも健康的になっていたのだ。ジムで過ごす時間が長くなると、飲酒、喫煙、カフェイン、ジャンクフードの摂取量も減った。家で仕事の取り組む時間が増え、テレビを見る時間も減った。また気分が落ち込むことも少なくなった。

科学的な枠組みフレームワークで無意識な部分を変化させるだけでは十分ではなく、「意志の力」「信じる力」が最後の最後には必要だと説明しています。この本の素晴らしいところは個人の習慣、企業の習慣、社会の習慣について述べているところです。アメリカ公民権運動などの社会運動も友人の間の習慣に基づいたものがコミュニティーの習慣になりに大きな運動になっていくと説明しています。

またこの本読んでいて始終人の体の癖みたいなもののことを考えていました。もしかしたら人の柔軟性やバランス感覚やアライメントに関しても同じような方法で変化させられるかもしれません。改善しようと意識的に出来るようなるのですが、環境や条件が変わるとたちまち元に戻ってしまう。根深く習慣化されたからだの使い方を変化させるのは、ストレッチや運動をするだけでは足りないということになりますね。

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